ファネル分析とは
ファネル分析とは、顧客が商品やサービスを認知してから購入・利用に至るまでの行動プロセスを段階ごとに分け、各段階のユーザー数や転換率を分析する手法です。

上の図は、一般的な購買行動を「認知」「興味」「比較」「購入」の4段階に分けたものです。
認知から購入に至るまでの各ステージでは、ユーザーが徐々に離脱していくため、各ステージの数値を比較することで、どの段階でユーザーが離脱しているのかを把握できます。
ファネル分析は、こうした顧客の行動を数値で可視化し、改善すべきポイントを見つけるために活用されます。
カスタマージャーニーとの違い
ファネル分析とカスタマージャーニーは、どちらも顧客の行動を理解するためのフレームワークですが、見るポイントが異なります。
カスタマージャーニーでは、顧客が商品やサービスを知ってから購入・利用するまでの行動や心理、企業との接点を時系列で整理します。

つまり、
●ファネル分析:数値から離脱や課題を把握する
●カスタマージャーニー:行動や心理から顧客体験を理解する
という違いがあります。
ファネル分析が古いと言われる理由
ファネル分析は長年にわたって活用されてきた手法ですが、近年は「古い」と言われることもあります。
その理由は、SNSや口コミなどの影響によって、顧客の購買行動が複雑になっているためです。
従来のファネルは「認知→興味→比較→購入」のような一方向の流れを前提としていますが、実際には複数の接点を行き来しながら購入に至るケースもあります。

ただし、ユーザーの離脱ポイントを把握し、改善につなげるというファネル分析の考え方は、現在でも有効です。
ファネル分析のメリット
ファネル分析には、主に以下のメリットがあります。
顧客の離脱ポイントがわかる
ファネル分析では、顧客がどの段階で離脱しているのかを数値で把握できます。

たとえば、上記の図では「興味(3,000人)」から「比較(400人)」に進む段階で、多くのユーザーが離脱しています。
このように各ステージの数値を比較することで、どこを優先して改善すべきかが明確になります。
さらに、離脱が多いポイントをもとに、情報不足や導線などの原因を考えることで、具体的な改善策を検討できます。
効率的にCVRを高められる
離脱ポイントがわかれば、すべての施策を一度に見直すのではなく、課題の大きいポイントから優先的に改善できます。
たとえば、「比較段階」で離脱が多い場合は、商品情報や導入事例など、比較検討に必要な情報が十分かを確認します。
このように、課題の可視化→改善施策の実行→CVRの向上につなげられることが、ファネル分析の大きなメリットです。
ファネル分析の種類
ファネル分析の種類には以下の3つがあります。
● パーチェスファネル
● インフルエンスファネル
● ダブルファネル
それぞれ詳しく解説していきます。
パーチェスファネル
パーチェスファネルとは、顧客が商品・サービスを認知してから購買に至るまでのプロセスを可視化したフレームワークです。

「認知→興味・関心→比較→購買」のように、購入までの顧客の動きを段階ごとに整理します。
購入に至るまでのどの段階で顧客が離脱しているのかを把握したい場合に活用されます。
インフルエンスファネル
インフルエンスファネルとは、購買後の顧客による口コミや情報拡散までを含めて考えるモデルです。

「満足→拡散→影響→新規認知」のように、購入した顧客が情報を発信し、それが新たな顧客の認知につながる流れを表します。
パーチェスファネルが「購入まで」を対象とするのに対し、インフルエンスファネルは購入後の顧客の行動までを捉える点が特徴です。
ダブルファネル
ダブルファネルとは、パーチェスファネルとインフルエンスファネルを組み合わせたモデルです。

購入までの「獲得」と、購入後の「ファン化・情報拡散」の両方を一つの流れとして捉えます。
新規顧客の獲得だけでなく、購入後の顧客をファン化し、次の顧客獲得につなげたい場合に活用されます。
ファネル分析の基本的な手順
ファネル分析の基本的な手順は以下の通りです。
手順①:ファネル分析の目的を設定する
手順②:顧客行動をステージごとに整理する
手順③:各ステージの数値を可視化する
手順④:ボトルネックを特定する
手順⑤:改善施策を設計する
それぞれ詳しく解説していきます。
手順①:ファネル分析の目的を設定する
ファネル分析を始める前に、まず「何のために分析を行うのか」という目的を明確にすることが重要です。
目的が曖昧なままでは、どのデータを収集すべきかが定まらず、分析結果を施策に活かすことが難しくなります。
あらかじめ目的を明確にしておくことで、分析の方向性がブレず、改善すべきポイントや施策の優先順位も判断しやすくなります。
手順②:顧客行動をステージごとに整理する
目的が決まったら、顧客が購買に至るまでの行動をステージごとに整理します。
自社のビジネスモデルやサービスの特性に合わせて、顧客の行動プロセスを「認知→興味・関心→比較・検討→購買」などの段階に分解していきます。
また、各ステージの行動に対応するKPIをあわせて整理します。
具体的には以下のように整理できます。
● 認知:リーチ数・インプレッション数など
● 興味:サイト訪問数・ページ閲覧数など
● 比較:商品詳細ページの閲覧数・資料ダウンロード数など
● 購買:問い合わせ数、購入数など
このように顧客行動とKPIをセットで整理することで、各ステージの成果を数値で把握し、どこに課題があるのかを分析しやすくなります。
手順③:各ステージの数値を可視化する
ステージごとの整理が完了したら、各ステージの数値データを収集し、ファネルとして可視化します。
GA4やCRMなどのツールを活用して、各ステージにおけるユーザー数や転換率(コンバージョン率)を数値として把握します。

このように各ステージの数値を並べることで、ステージごとのユーザー数や転換率を比較し、どこでユーザーが大きく離脱しているのかを把握できます。
ただし、転換率が低いからといって、必ずしも改善が必要とは限りません。
過去の実績や業界平均、目標値などと比較しながら、改善すべきステージを判断することが重要です。
手順④:ボトルネックを特定する
数値を可視化したら、次にファネル内のボトルネック、つまり顧客の離脱が集中しているステージを特定します。
各ステージの到達率を比較し、前のステージから到達率が大きく低下している箇所を確認します。

上記の図では「サイト訪問を100%としたときの各ステージ到達率」が示されています。
たとえば、「アイテム閲覧(85%)」から「カート追加(30%)」で大きく数値が低下しており、このステージで多くのユーザーが離脱していることがわかります。
ボトルネックが特定できたら、「なぜこのステージで離脱しているのか」という原因を考えます。
この場合は、商品ページの情報量や訴求内容、デザインなどに問題がないかを確認するなど、離脱の原因について仮説を立てます。
このように、ボトルネックを特定して原因を考えることで、課題に対して優先的に改善策を検討できるようになります。
手順⑤:改善施策を設計する
ボトルネックを特定し、原因の仮説を立てたら、具体的な改善施策を設計します。
施策は、ボトルネックとなっているステージを優先して検討することが重要です。
たとえば、認知段階に課題があれば広告配信の見直し、比較・検討段階であればLPの訴求内容や商品情報の改善など、課題に応じて適切な施策を検討します。
設計した施策は、ABテストなどで効果を検証し、改善前後の数値を比較しながら改善を繰り返します。
このように、「分析→課題の特定→施策の実行→効果検証」を繰り返すことで、マーケティング施策の改善につなげていきます。
ファネル分析の活用例
ファネル分析の活用例としては、以下が挙げられます。
● LPのCVR改善
● ECサイトの購買分析
● BtoBマーケティングのリード獲得
それぞれ詳しく解説していきます。
LPのCVR改善
WebサイトやLPのCVR改善にも、ファネル分析を活用できます。
たとえばLPの場合、以下のようにステージを設定することが多いです。
● 広告表示
● LP閲覧
● お問い合わせフォーム到達
● フォーム入力完了

LP閲覧からお問い合わせフォームへの到達率が低い場合は、キャッチコピーや訴求内容、CTAなどに課題がある可能性があります。
また、フォーム到達から入力完了までの離脱が多い場合は、フォームの項目数が多すぎることや、入力のしづらさが離脱原因として考えられます。
このようにステージを細分化することで、改善すべきポイントを絞り込み、CVR向上に向けた効果的な施策を設計することができます。
ECサイトの購買分析
ECサイトの購買分析においても、ファネル分析は有効な手法です。具体的には以下のようにステージを設定します。
● サイト訪問
● 商品閲覧
● カート追加
● 購買手続き
● 購買完了

たとえばカート追加から購買手続きへの転換率が低い場合は、送料や決済方法への不満が離脱原因として考えられます。
また購買手続きから購買完了への転換率が低ければ、入力フォームの複雑さや会員登録の手間が障壁になっている可能性があります。
ファネル分析によって離脱ポイントを特定し、UI改善や決済フローの簡略化などの施策を優先的に実施することで、購買完了率の向上につなげることができます。
BtoBマーケティングのリード獲得・商談化
BtoBマーケティングにおけるリード獲得でも、ファネル分析は重要な役割を果たします。
具体的には以下のようにステージを設定します。
● 広告表示
● Webサイト訪問
● 資料ダウンロード
● お問い合わせ
● 商談
● 受注

資料ダウンロードから問い合わせへの転換率が低い場合は、フォローメールの内容や配信タイミングに課題がある可能性があります。
BtoBは検討期間が長く、複数の意思決定者が関わるため、各ステージでの適切なナーチャリング施策が重要です。
ファネル分析を活用してボトルネックを特定し、コンテンツ施策やメールマーケティングの改善を継続的に行うことで、リード獲得から商談・受注までの成果向上につなげることができます。
ファネル分析に役立つツール
ファネル分析に役立つツールとしては、以下が挙げられます。
● アクセス解析ツール(GA4など)
● CRM・SFA
● MAツール
● LINE Official Account Manager
それぞれ詳しく解説していきます。
アクセス解析ツール(GA4など)
ファネル分析を行う際に活用される代表的なツールが、アクセス解析ツールです。なかでも以下のツールが広く活用されています。
● Google Analytics4(GA4):無料で使えるGoogleのアクセス解析ツール
● Mixpanel:ユーザーの行動データを詳細に分析できるツール
● Amplitude:プロダクト分析に特化したツール。ユーザーの行動パターンを深く掘り下げて分析できる
まずはGA4を導入してデータ収集の基盤を整えつつ、より詳細な分析が必要になった際にはMixpanelやAmplitudeの活用も検討してみましょう。
CRM・SFA
CRM(顧客管理システム)とSFA(営業支援システム)も、ファネル分析において重要な役割を果たすツールです。
CRMは顧客の属性や購買履歴・問い合わせ履歴などを一元管理でき、SFAは商談の進捗状況やリードの獲得状況を可視化できます。
これらのツールをファネル分析に活用することで、特にBtoBビジネスにおける「リード獲得→商談→受注」といった各ステージの転換率を正確に把握することができます。
代表的なツールとしてはSalesforceやHubSpotなどが挙げられます。
MAツール
MAツール(マーケティングオートメーションツール)とは、見込み顧客へのアプローチや育成を自動化するためのツールです。
メール配信やスコアリング、行動トラッキングなどの機能を持ち、ファネルの各ステージで顧客に適切なアプローチを自動で行うことができます。
特に「興味・関心→比較・検討」のステージにおけるナーチャリング施策との相性が良く、見込み顧客を購買へと効率的に引き上げることが可能です。
代表的なツールとしては、HubSpotやAdobe Marketo Engageなどが挙げられます。
LINE Official Account Manager
LINE Official Account Managerとは、LINEの公式アカウントを管理・運用するための無料ツールです。
メッセージの配信やユーザーの管理、効果測定などをまとめて行うことができます。

出典:LINE公式アカウント|LINEヤフー for Business
ファネル分析の観点では、友だち追加数・メッセージ開封率・リンククリック数といったLINE上のユーザー行動を把握できる点が特徴です。
また、性別・年齢・地域などの属性でユーザーをセグメントし、ターゲットを絞った配信も可能です。
LINE公式アカウントを活用したマーケティングでは、ユーザーの反応を把握し、各ステージの改善につなげるための基本的なツールといえます。
配信施策の効果を数値で把握しながら、継続的な改善につなげていきましょう。
ファネル分析をマーケティング成果につなげるには
ファネル分析によって離脱ポイントを特定しても、課題がわかっただけでは成果にはつながりません。
重要なのは、離脱しているユーザーの特徴や行動を把握し、そのユーザーに合わせた施策を実行することです。
特にLINE公式アカウントでは、顧客情報やアンケートなどからユーザーの興味・関心を把握し、属性や行動に応じて配信内容を変えることで、ファネルの各ステージに合わせたアプローチができます。
そこで活用したいのが、LINE拡張ツール「KAKERU」です。
KAKERUなら、顧客管理やアンケートなどを通じてユーザー情報を蓄積し、その情報をもとにセグメント配信やクーポンなどの施策を実行できます。
こうした機能を活用することで、「顧客を知る」ための情報収集から、「興味・関心に合わせた情報を届ける」「来店や購入を促す」といった具体的なアクションまで、LINE上で一連の施策を実行できます。
ファネル分析で見つけた離脱ポイントをもとに、顧客を理解し、一人ひとりに合わせた施策を実行したい方は、無料資料をご覧ください。
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